■プロローグ
ある日から男は倦怠感が抜けず、気怠い日々を過ごすようになった。
「……ん? 観光ですか? 参拝はどうぞご自由になさってください。あぁ、神主は今出ておりましてご用件ならば私が承ります」
「見ての通り、山奥も山奥ですから。いつ帰られるかはちょっと私にもわかりかねます。この付近には集落もなく、商店も1時間ほど車で行かなければないですし……」
「まぁ、折角来られたのですからぐるりと見て回っていいかもですね。古より続く神社ですから、そういうのがお好きな方が時々写真を撮りに来られますよ」
「……? 観光じゃないんですか? えーっと、だとしたら神主に? ……言伝なら私が預かりますが……ほぅほぅ……ほー……あー……んー……あ゛?」
「えーっと……すみません。もう少し詳しくお聞かせ下さい。……ふんふん……なるほど…………あー、それはそれは……あちゃー……紹介……ふぅーん……なるほどなるほど……」
